武蔵野の個別指導塾より——高校受験のVもぎは何回受けるべき?時期と回数の考え方
保護者の方へ「Vもぎは2回でいいですか?」
──保護者からのご相談と、私たちの考え方
以前、ベスタ武蔵野教室に通う中学3年生のお子さんをお持ちの保護者の方から、
こんなご質問をいただいたことがあります。
「模擬試験って、6月と12月の2回受ければ十分でしょうか?」
「7月はまだ勉強ができていないので、10月と1月に受けたいと思っているのですが、いいですか?」
「学校で実力テストを受けるのですが、模擬試験は受けた方がいいですか?」
おそらく「受験前と受験直前に1回ずつ確認できればOK」
「学校で試験があるので模擬試験は受けなくても大丈夫なのでは?」
というイメージをお持ちだったのだと思います。
気持ちはよくわかります。
模擬試験は費用もかかりますし、まだ本格的な勉強をしていないのに
試験を受けることに抵抗感を感じる方も少なくありません。
まだ勉強していないから点数も低く出ることは分かりきっているので、
受けないでいたい、と考える方もいて当然だと思います。
ただ、私の考え方は少し違います。
それは模擬試験というのは定期テストとは全く異なる目的で受験する必要があるからです。
逆にまだ十分できていない、対策を取れていない時期だからこそ受ける必要があり、
多く受けることが受験の合格率を上げることにつながるからです。
そこで、なぜ当教室がVもぎをできる限り多く受験することをお勧めしているのか、
その理由をきちんとお伝えしたいと思います。
模擬試験の目的は「合否判定」だけではない
そもそも高校入試は定期テストとは異なり、どこか出るのかという明確なものはありません。
定期テストのようにその時学習した内容の理解度を測るものではないためです。
たしかにVもぎを受ける目的を「どこの高校に受かるかを確認するもの」と捉えていると、
2回で十分に思えるかもしれません。
しかし実際には、模擬試験にはそれ以上に重要な役割がいくつもあります。
① 偏差値の「推移」を見る
偏差値は1回見ても意味が薄いのです。
大切なのは「推移の把握」です。
偏差値が上がっていれば、周りの受験生以上に成長できているということ。
横ばいであれば、周りと同じペースで頑張っている状態。
下がっているなら、何か見直しが必要なサインです。
1回きりでは、この流れがまったく見えません。
2回3回ではこの制度が確実に多く受けている人よりも劣るということです。
過去にも特定の単元が入ると偏差値がガタンと落ちている方がいました。
多く受けたからこそ発見することができました。
それ以来私は模擬試験については可能な限り多く受けることをお勧めしています。
② 単元ごとの「穴」を把握する
都立Vもぎは、中学3年間の学習単元から出題されます。
つまり、得意・不得意が単元単位で明確に見えてくるテストです。
たとえば数学であれば「関数は得意だけど、図形の証明になると途端に点数が落ちる」、
それも「三角形の証明はできても、図形が複雑になった途端に手が止まる」などは、
実際の問題を解いてみないと把握は難しいです。
理科であれば「生物分野はできるのに、化学の計算問題の特に酸化還元の計算が苦手」、
社会であれば「歴史は点が取れるのに、公民になると手が止まる」といったことが、
複数回受験することでより精度高く把握できます。
さらに、近年の都立入試では記述式問題の比重が増しています。
単元の理解はできているはずなのに、いざ文章で答えようとすると全く得点できない
──というケースは少なくありません。
知識として「わかっている」ことと、本番で解けるということ、記述として「表現できる」ことは別の力です。
模擬試験を繰り返し受けることで、こうした記述力の課題も早い段階から把握し、対策を立てることができます。
③ 「できるようになったか」の確認
勉強を進めていくと、難しい問題に取り組むうちに、
以前できていた基本問題が解けなくなることがあります。
定期的に同じ形式の試験を受けることで、
「基礎の定着」と「応用への対応力」の両方を継続的に確認できます。
さらに基礎問題を継続的に緊張感を持って解く練習をすることで、
当たり前に解ける度合いが向上し、確実な点数を取ることができるようになります。
④ 実力テストへの「慣れ」と自己管理力、そして受験体力
定期テストと実力テストは、出題形式も問題の傾向もまったく異なります。
50分間の時間配分、集中力の維持、見直しのタイミング
──こうした力は、繰り返し経験することでしか身につきません。
また、模擬試験の会場は学校とは違う緊張感があります。
知らない受験生たちと同じ空間で、時間を測られながら問題を解く。
その独特のプレッシャーに慣れること自体が、大切なトレーニングです。
「受験のコツ」を体で覚え、緊張する場面でも自分のペースを崩さずに力を発揮できる
──そうした受験体力は、一朝一夕では育ちません。
回数を重ねるごとに少しずつ鍛えられていくものです。
本番の入試でベストを出すためには、知識や学力だけでなく、この受験体力があってこそです。
⑤ 「何をすればいいかわからない」不安を、模擬試験が解消する
受験勉強の一番の敵は、実は「不安」です。
学校の勉強とは別に、受験のための学習を積み上げていく
──それは、精神的にとても負荷のかかることです。
「これをやっていていいのだろうか」「もっとやらないと間に合わないのでは」
という漠然とした焦りが、受験生の心を常に揺さぶります。
その不安の多くは、「何を勉強すればいいかがわからない」ことからきています。
頑張ろうという気持ちはある。でも、どこから手をつければいいかわからない。
そのまま手を広げすぎて精神的に消耗してしまう子も、少なくありません。
模擬試験は、この「わからない」を「わかる」に変える機会です。
受験のたびに結果を振り返り、分析することで「次はここを重点的にやろう」という具体的な目標が生まれます。
その目標に向けて取り組み、次の試験で「できるようになったかどうか」を確認する。
新たな課題が見つかれば、また目標を立て直す。
この繰り返しの中で、子どもたちは少しずつ変わっていきます。
「やるべきことをやった」という達成感や「自分は頑張れている」という手応え、
そして「次は何をすればいいか」が見えているという安心感。
それらが積み重なることで、漠然とした不安は少しずつ薄れ、
受験生としての自信へと変わっていきます。
模擬試験を重ねるたびに、子どもは「受験生」として成長していくのです。
「学校の実力テストがあるから大丈夫」は本当?
こうお話しすると、「学校でも実力テストがあるので、それで十分ではないですか?」
というご意見をいただくことがあります。
学校の実力テストは業者が制作した質の高いものが多く、参考になる情報が含まれているのは確かです。
また全員が強制受験であるため、逃げられない実態に即したデータという側面もあります。
ただ、受験対策として継続的に活用するには、どうしても限界があります。
学校の実力テストはあくまで「その時点での先生による現状把握」が目的です。
結果として点数や順位は見えても、単元ごとの正答率データとして手元に残りにくく、
複数回分の推移として蓄積・分析することも難しいです。
つまり「点」としての情報は得られても、「線」として受験戦略に活かすことができないのです。
さらに、学校という慣れた環境で受けるテストと、
外部会場で知らない受験生と並んで受けるテストでは、
緊張感や実戦経験としての意味がまったく異なります。
Vもぎを時期ごとに受け続けることで初めて、データが「線」としてつながり、
受験対策に活かせる情報へと育っていきます。
正答率データの見方——何ができれば、何をしなくていいか
模擬試験を活用するうえで、もう一つ大切な考え方があります。
それが「正答率と偏差値の関係」です。
中学3年間の学習単元は膨大です。すべてを完璧にしようとすれば、時間がいくらあっても足りません。
だからこそ、「何をやるべきか」だけでなく「何はやらなくていいか」
を判断することが、受験対策では非常に重要になります。
Vもぎの結果には、各問題の正答率データが含まれています。
この数値が意味するのは、
簡単に言えば「その問題が受験生全体の何割に解けているか」ということです。
たとえば偏差値50前後の高校を目指すのであれば、正答率50%以上の問題
──つまり受験生の半数以上が解けている問題──は確実に得点できるようにしておく必要があります。
一方で正答率30%の問題は解ければ大きな力になりますが、必須ではありません。
正答率3%の超難問にいたっては、解けなくても合否にほとんど影響しません。
この視点を持つことで、限られた時間の中で何を優先すべきかが明確になります。
「やるべきことが絞られる」ことは、お子さんにとっての安心感にも直結します。
やみくもに全範囲を不安と戦いながら勉強するより、
「ここを押さえれば大丈夫」という見通しを持って取り組む方が、精神的にもはるかに安定します。
当教室では、複数回分のVもぎデータをもとに、この正答率分析を生徒ごとに整理し、
11月ごろにフィードバックしています。
どこを伸ばせばいいか、どこは捨てていいか
──そうした「受験の地図」をお子さんに渡すことが、直前期の安心感につながると考えています。
各時期に受ける意味——なぜその月に受けるのか
スケジュール表を見て「回数が多いな」「全部受けないといけないの?」
と感じた方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。
各時期のVもぎには、それぞれ明確な目的があるということです。
また明確な目的を持って臨むことが受験を成功させやすくする
6月:受験生としてのスタートラインを知る
中3になって最初の模擬試験です。点数が低くて当然の時期ですが、だからこそ意味があります。
今の自分の偏差値の大まかな位置を把握し、受験生としての意識を持つきっかけになります。
「まだ勉強していないから受けなくていい」ではなく、「今の現在地を知るために受ける」のがこの時期です。
7月:夏休みの学習計画を立てるための指針
1学期の学習がどこまで定着しているかを確認する時期です。
できている単元・できていない単元を把握したうえで夏休みに入ることで、
夏の学習計画に具体的な優先順位がつきます。
また、6月・7月の結果をもとに私立高校の説明会に参加し、
現状の成績を伝えてアドバイスをもらうことも、この時期の重要な動きです。
志望校の先生から「ここをこう伸ばせば可能性がある」と言われることが、
お子さんの大きなモチベーションになることも少なくありません。
8〜9月:夏休みの成果を測る最重要時期
夏休みにどれだけ力がついたかを確認する、受験において非常に重要な時期です。
6月・7月と比較して偏差値がどう動いたか、苦手単元が改善されたかどうかを確認することで、
「この調子で伸びていけば、どのくらいまでいけるか」という見通しが立てられます。
夏を頑張った成果が数値として見えることは、お子さんにとって大きな自信と安心感につながります。
10〜11月:単元の穴を洗い出す総点検の時期
2学期は期末試験など学校行事も重なるため、日程調整が必要な時期ではあります。
ただ、3年間の学習単元の中でまだ穴になっている部分を把握する意味でも、可能な限り受けておくことをお勧めします。
この時期に穴を発見できれば、冬休みや直前期の対策に確実に活かすことができます。
12〜1月:最終ジャッジと直前の仕上がり確認
いよいよ受験の最終局面です。
12月と1月の結果をもとに、受験校の最終的な判断をすることになります。
もし12月の時点で目標校の目標点数に届いていなければ、
冬休みの取り組みが非常に重要になります。
そして1月の模擬試験でその成果を確認し、最終的な受験校が決定されます。
しかし「12月だけ受けて1月は受けない」という選択をした場合、
12月の結果のみで受験校を判断することになります。
冬休みに頑張った成果を確認する機会がなくなるため、直前期の安心感という意味でも、
1月の受験は可能な限り受けておくことをお勧めします。
また、多くの模擬試験を受けてきたお子さんは、それだけ多くの問題に触れてきたことになります。
問題量の積み重ねは純粋な実力向上につながるだけでなく、
自分が何の問題ができて何ができないかの把握が精緻になり、全方位的な対策が可能になります。
早い時期から継続して受験してきたお子さんが、直前期に圧倒的に優位に立つのはこのためです。
ベスタ武蔵野教室経由で申し込むと、こんなデータをお渡しします
ベスタ武蔵野教室経由でVもぎに申し込み、会場で受験していただくと、
受験後に「単元別の正答率データ」が送られてきます。
このデータを、私が生徒ごと・単元ごと、正答率と正解不正解がわかるように整理したうえで、
11月ごろにお子さんへフィードバックしています。
- どの単元が取れていて、どこが取れていないか
- どの形式の問題は捨ててもいいか、どこを勉強するべきか
- 受験直前に何を優先的に取り組めばいいか
こうした情報が、複数回分のデータとして蓄積されることで、より精度の高い「受験直前の作戦」が立てられます。
毎年、このフィードバックを楽しみにしてくださる保護者・生徒の方が多く、大変ご好評をいただいています。
理想的な受験スケジュールの目安
| 6月 | 1回 | 現在地の把握・受験生意識のスタート |
| 7月 | 1回 | 夏休みの学習計画づくり・私立説明会の参考に |
| 8〜9月 | 1回 | 夏の成果確認・今後の伸びの見通し |
| 10月 | 1回 | 単元の穴の総点検 |
| 11月 | 1回 | 直前期に向けた優先課題の整理 |
| 12月 | 1〜2回 | 受験校の最終判断・冬休み前の仕上がり確認 |
| 1月 | 1〜2回 | 冬休みの成果確認・最終的な受験校決定 |
合計7〜8回程度が理想です。
もちろん経済的なご負担がかかることは重々承知しており、無理にすべてを強制するものでは決してありません。
ただ、過去の経験から言えるのは、早い時期から多く受験されたお子さんほど、受験に対する目標意識が高まり、
本番での受験体力が育まれ、結果として合格率が高い傾向にあるということです。
まとめ
模擬試験は「判定を見るためのもの」ではなく、「受験を成功させるためのプロセスそのもの」です。
各時期に受けることで現在地が明確になり、正答率データを活用することで
「やるべきこと」と「やらなくていいこと」が整理され、「何をすればいいかわからない」
という不安が「次はこれをやればいい」という目標に変わっていきます。
その積み重ねが、お子さんを受験生として確実に成長させ、直前期の安心感につながっていきます。
ご不明な点があれば、ぜひ一度ベスタ武蔵野教室にご相談ください。一緒に、悔いのない受験準備を進めていきましょう。
教室では現在の学習状況をお聞きした上で、お子さんに合った指導内容をご提案します。